熊本県沿岸域再生官民連携フォーラムとは
熊本県は、雄大な阿蘇山麓からの地下水に恵まれ、また沿岸域は有明海・八代海に面した美しい自然環境に囲まれた地域です。その熊本県沿岸域の有明海・八代海では、全国的にも閉鎖性がとても高く、閉鎖度指数は八代海32.5、有明海12.9、東京湾1.8、伊勢湾1.5、陸奥湾2.9という結果からもわかるように、周辺の経済社会や自然環境の変化に伴い、陸域からの流入負荷等を浄化しづらく、海域環境の悪化が著しい状況となっており、貴重な自然環境及び水産資源の宝庫が失われようとしています。
また、かつて豊穣の海として、かけがえのない多くの恵みもたらしてくれた有明海・八代海は、水産資源の減少や赤潮の長期化・大規模化に代表されるように、著しい環境劣化の悪循環に陥っていると考えられ、その自然再生は極めて重要な緊急の課題となっています。海域環境の悪化が著しい一方で、この両海域は台風の常襲地帯でもあり高潮・高波などの海象災害や洪水・土砂災害などに悩まされ自然災害に対する防災・安全対策も欠かすことができない沿岸域でもあり、この両海域では環境と防災との調和した沿岸地域社会の創成に関する対応策について、その緊急の構築が切望されている状況であります。
このような状況のもと、「第8回全国アマモサミット2015inくまもと・やつしろ」を開催し、八代海・有明海に関する全ての人たちが関係するテーマである“海の自然環境の保全と再生”、“環境と防災の調和”、“沿岸地域活性化”を含む「八代海・有明海を豊かな海に再生するため」をゴールとして、行政、大学・研究機関、水産関係、企業、NPO、市民が集い白熱の議論を展開しました。その成果を「熊本宣言文」としてまとめることができ、再生に向けての大きな一歩が踏み出されるとともに、関係者の気運は確実に高まっています。
その環境悪化をくい止め、有明海・八代海の自然環境や水産資源を回復させることを目的とし、その有識者を一同に集めて次世代の子供達へ繋げていけることをめざし「熊本県沿岸域再生官民連携フォーラム」を設立致しました。 設立:平成29年6月29日
「熊本県沿岸域再生官民連携フォーラム」では、有明海・八代海の美しい自然環境に囲まれ、災害に強く、元気で生き生きとした沿岸地域づくりに向け、
行政 、 大学 ・研究機 関 、 水産関係 、 企業 、 レジャー 、 NPO/NGO 等の有明海・八代海再生に意欲をもつ多様な関係者が有するあらゆる英知を集結し、連携や協働を行い、また、それらの活動を通して生み出される有明海・八代海再生への多様な意見を尊重しつつ、提案として取り纏めるとともに、再生策の実施に取り組む事を目的としています。